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Artist

SUPER EAGLES

Title

SENEGMBIAN SENSATION


super eagles
Japanese Title セネガンビアン・センセーション
Date 1968/1969
Label RETROAFRIC RETRO17CD(UK)
CD Release 2001
Rating ★★★☆
Availability ◆◆◆◆


Review

 セネガルに囲まれた小さな国ガンビア出身のバンド、スーパー・イーグルズの活動期間は、1967年から72年とわずか5年に満たない。だが、アフロ・キューバン、ロック、ソウル、ルンバ・コンゴレーズ、ハイライフ、それからかれらの出自と思われる伝統音楽ンダッガ (NDAGGA)など、さまざまな音楽要素をブレンドして生み出された軽快なサウンドは、のちのンバラ・ポップ誕生の基礎をつくったといわれている。
 
 68年にガーナで録音されたシングル4曲と、翌年の英国ツアーのおりにロンドンで録音されたアルバム"VIVA SUPER EAGLES"収録の12曲からなる本盤は、よくいえば、かれらの守備範囲の広さを、悪くいえば、一貫性のなさを示す内容になっている。
 
 2000年にリリースされたアルバム"MANDALI"(STERN'S AFRICA STCD 1092(UK))で、アフリカンドがリメイクしたオリジナル'MANDAL LY'のように、ンバラ以前のセネガンビア(セネガルとガンビアの合成語)地域でもっとも一般的だったアフロ・キューバン・スタイルもあれば、フランコのO.K.ジャズ風のルンバ・コンゴレーズもあるし、ハイライフっぽいのもある。
 だが、かれらの音楽をもっとも特異ならしめているのは、ビートルズの「ヘイ・ジュート」のカヴァー、「おまえらグループ・サウンズかよ」って感じの'LOVE'S A REAL THING'、オーティス・レディングを気取った'DON'T DO THAT TO ME''FALSE LOVE'といった欧米の音楽を意識してブロークン・イングリッシュで歌われる楽曲にある。
 
 英文解説によれば、かれらは、契約するクラブが所有する楽器を借りて演奏するのが一般的だった当時のアフリカにあって、もっとも早い時期に自分たちの楽器やアンプ、PAなどを持ったバンドだったらしく、このことがかれらの活動範囲と音楽性を拡げていくうえでプラスに作用したように思われる。かれらの一見とりとめのない音楽性は、このように「なんにでもチャレンジしてみよう」という冒険精神を許す自由な空気のなかでつちかわれたものだったにちがいない。
 
 ちなみに、わたしは本盤を発売直後に輸入盤で買ったが、2002年になってオルターポップの配給でなんと!国内発売された。アフリカのCDが国内発売されるのは喜ばしいことではあるのだが、本盤を出すぐらいなら、オルケストル・ナンバー・ワンのアルバムとか、もっと発売すべきCDが山ほどあるんじゃないの!


(11.3.02)



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by Tatsushi Tsukahara